33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
iakuの新作『逢いに行くの、雨だけど』
2018-12-17 Mon 00:00
1812111.jpgiakuの三鷹公演が前回に続き今回もうまいこと東京の実家へ行く用事と重なってくれたおかげで、12月9日(日)、三鷹市芸術文化センター星のホールで初演が行われていた『逢いに行くの、雨だけど』の千穐楽へ行くことができた。誰もいない会場へ入ると、増設席が目一杯に作られていてこれから続々埋まっていく予感、舞台上には野球場のスタンドのような階段状のセットが組み上げられていて目を引く。iakuは横山拓也さんの原作・脚本を芝居にするユニットだが、この作品は脚本だけでなく演出も横山さんが行ったiakuでは初の試みだという(意外!)。関西弁の会話劇というこれまでのスタイルでないのはちょっと残念だが、普遍性のある作品作りへの一歩ということかな。関西弁と標準語では人と人の距離の取り方が違う感じがするので、今後も芝居の性格によって使い分けしてくれるとうれしい。
失明・義眼という眼に見える障害と、加害者・被害者・周囲の眼に見えない葛藤のぶつかり合いが今回のテーマの様だが、これまでの作品に比べてアンタッチャブルさの点でインパクトが若干小さかった感があるのは、登場人物8人それぞれに満遍なく共感できてしまうからだろう。と、書きながら、潤ちゃん(尾形宣久)は言いたいことを言ったのか言わなかったのか、実は最後までわからなかった。潤ちゃんの優しげなところは、7月に見た『人の気も知らないで』のアデコの笑いとつながっているように思えた。
こういうセットにも上がらないとならないという一点だけからでも、高所恐怖症の自分には役者は不可能。なにはともあれ、出演のみなさんがセットから足を踏み外すなどの事故がなくてよかった。今後の公演もお気をつけて。

 →iaku
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ゴキブリ団子に抱きつくアイネ・キュッヘンシャーベ
2018-10-07 Sun 00:00
1810063.jpg我が家は比較的ゴキーラの出現は少なく、ここ数年ほとんど出会わなかったのだが、久しぶりに3.5cm級のゴキーラが床を歩いているのを発見。すでにゴキブリ団子を食べているのだろうか、動きが緩慢。しばらく様子を見ていたら押し入れに入ったので、ヨメさんがゴキブリ団子を隙間近くに置いてみた。しばらくすると奥から出てきて、ゴキブリ団子に抱きついて食べているようだった。それはいいのだが、これでは布団を出せないし、出せてもゴキーラの横で寝なくてはならない。それではおちおち眠っていられない。どうしたものか。

以上はまえおきで、ゴキブリといえば、雑誌の下に隠れたゴキブリと対峙しながら婚約者についての話をする母娘を描くiaku横山拓也氏の演劇『あたしら葉桜』が秀逸。ゴキブリと声に出すのも嫌な二人は、ゴキブリにアイネ・キュッヘンシャーベの別名をつけて婚約者とドイツ転勤について話を続ける、、、。

[追記]我が家のアイネ・キュッヘンシャーベは翌日もまたどこからともなく現れて、床の上をのろのろと歩いている。すばしこく動かないからか気持ち悪さはあまり無い。それでも監視し続けるのも面倒くさいのでいよいよ箒で掃き出して退散いただいた。
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観劇準備
2018-09-17 Mon 00:00
1809162.jpg雨合羽、長靴、キャップ、ヘッドライト、水筒、食べ物。この出で立ちでシェークスピア『夏の夜の夢』の芝居を見に行く。百景社の今公演は霞ヶ浦湖畔での野外劇。初日と二日目は曇り空だったが、楽日は雨天予報だ。上演中は傘をさせないので雨合羽での観劇になる。1809161.jpg雷さえなければこれも趣向だ。

今夜の観測:ひさしぶりの変光星観測は、β Lyr3.2等、R Sct4.9等。遅い時刻になってもまだ晴れていて、星がたくさんに増えてきた。秋の空。


1809171.jpg[追記]公演の直前には雨予報は消えていたが、会場に着いた頃からけっこういい具合に雨が降り出した。それでも用意されていた70の座席は満席だったようだ。芝居が始まる頃にはほぼ雨も上がっていたが、全員が雨合羽着用でのシェークスピア観劇というおかしな風景の芝居空間になっていた。アトリエという物理的制限のある空間を飛び出して、屋外だから可能な動きが随所に見られる演出になっていた。特に雨上がりで濡れた舞台では、ドタバタ時のスムースなスライディングは爆笑もので、2時間があっという間の楽しい芝居だった。屋外ということで、準備にはいろいろ苦心したと思うが、雨のアクシデントも含めて、とても良い公演になったと思う。仲条幸一さんの書き下ろし曲もたくさん使われ厚みのある舞台作りを支えていた。客演含めた俳優の厚さに加え、企画力とか、舞台作りといった百景社の実力を感じる公演だった。雨での観劇を覚悟して準備しておいたので、合羽で観劇できて感激![右写真は会場直前の様子。団員が濡れた座席を拭きまくっている]
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こういう芝居を見られる土浦はいい街だと感じる
2018-07-23 Mon 00:00
1807221.jpg今週は疲れる1週間だった。週末は土浦の百景社で芝居を見てきた。
 →百景社アトリエSELECT iaku 『人の気も知らないで』

iakuの横山拓也さんの作品らしく、リアリティのある関西弁の会話が三つ巴になってぐるぐる回り、期待どおりの面白さだったが、期待をはるかに超えて女優さんたちが綺麗だった。終演後に横山さんや女優さんたちとお芝居についていろいろと話ができるお茶会もあり、それもお値打ちだった。
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万分の一ほどの追憶を
2018-07-12 Thu 00:00
2ヶ月ほど前に、あるきっかけから久しぶりに唐十郎を読み直したくなり、本棚の奥から茶色く変色した文庫本何冊かを引っ張り出したり、手放してしまった幾冊かは古書店で再購入したりした。ここで紹介する最初の3冊も古書店で購入したものだが、発売された1960年代から80年代当時に購入したものではなく今回初めて手に入れたものだ。

1805182.jpg『腰巻お仙』 唐十郎著 現代思潮社 1800円 1968年

 この本は当時も読まなかったので今回古書店で購入した。唐十郎の初期の話題作『腰巻お仙 忘却篇』『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』の2本の戯曲と、演劇論『特権的肉体論』が含まれている。

1805222.jpg『唐十郎と紅テントその一党 劇団状況劇場1964-1975』
              白川書院 1800円 1976年

 副題の様に1964年の状況劇場旗揚げから10年間のモノクロ写真記録集。30歳前後なのでとにかくみんな若い。モノクロの世界の中で、ここはひょっとすると連合赤軍のアジトなのかとも見紛う。


1805211.jpg『写真集 唐組 状況劇場全記録』 劇団状況劇場編
              PARCO出版 3500円 1982年

これは前記の写真集の期間を1982年まで拡張し、写真以外の資料(カラーポスター付き公演記録、状況劇場機関誌「SITUATION」復刻縮刷版)も加えた、300ページを越える唐十郎と状況劇場の全記録集という構成になっている。前記の写真集と同じ写真もあれば異なる写真も多数。本書のタイトルに「唐組」とあるが、出版の6年後の1988年、劇団状況劇場を解散した後に現在の劇団唐組となるが、それとは特に関係はない様だ。

1805262.jpg『実存 1968-69状況劇場』 西村多美子著
            グラフィカ編集室 1900円 2011年

 写真家西村多美子が学生時代の1968年-69年に状況劇場の『由井正雪』『続ジョン・シルバー』『腰巻お仙 振袖火事の巻』『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』公演を撮影し、卒業制作展で発表した写真を40年後に写真集として出版したもの。上の2冊と重なる写真は無い。出版後以下のような写真展も開催されている。
  →西村多美子写真展 実存―状況劇場1968-69


先日コメント欄に書いた様に、1960年代後半に唐十郎が吉祥寺の名店会館裏でしばしば公演をしていた当時、2つ隣の駅近くで小学生をしていた自分はアングラ芝居とは縁も無く、清く正しく天文少年の道を歩んでいた。1970年代になって中学生から高校生になる頃にはアングラは文化として社会的に認知され、高校生の視界の端々からも流れ込んで来る時代になっていたが、ついにリアルタイムで体感するには至らなかった。今回、状況劇場に関する3冊の写真集を購入し、自分には共有しきれなかった歴史として当時の舞台の雰囲気を50年の彼方から眺めている。モノクロ写真から伝わってくる汗の臭いと熱気はものすごく、舞台も芝居もその場にいた者たち限りのもの、後日の共有はありえない体験と感じずにはいられない。
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麿赤兒インタビュー
2018-05-26 Sat 00:00
1805263.jpgNHKラジオ深夜便:舞踏家・俳優 麿赤兒インタビュー
 24日早朝4時台に偶然こんな番組があった。戦後の子供達の状況、演劇との出会い、唐十郎との出会い、凮月堂のこと、大駱駝艦立ち上げなど、破天荒でおもしろい。聴けるのはおそらく期間限定だと思うのでお早めに。
  →麿赤児(Wiki)

[写真:『唐十郎と紅テントその一党 劇団状況劇場1964-1975』(白川書院、1976年)のカバー写真の一部に役者名を記入した(今後も追記予定だが、化粧しているので難しい!)。]
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百景社アトリエSELECT 再び心臓をグリグリやられそう
2018-05-22 Tue 00:00
演劇ネタが続いたついでに、地元で頑張っている演劇集団のご案内をしたいと思う。

1805172.jpg演出家・志賀亮史(あきふみ)さん率いる百景社は2000年につくば市で旗揚げし、2013年からは土浦市真鍋にアトリエを構え本拠地としている。[右写真]
 →百景社

アトリエでは百景社自身の公演はもちろんのこと、各地の劇団の公演を見ることができる。今日ご案内するのは6月7月に開催される百景社アトリエSELECTという企画で、三重、大阪を本拠地とする演出家と劇団がやってくる。


百景社アトリエSELECT

(1)6月は三重から第七劇場『赤ずきん』。
 →第七劇場『赤ずきん』
この劇団の芝居を見るのは初めて。赤ずきんの家族と狼の真実を知ることができるかもしれない。
(2)1805171.jpg7月は大阪からiaku『人の気も知らないで』。
 →iaku『人の気も知らないで』
横山拓也さん演出のものは2016年春に百景社アトリエ祭で初めて見て、心臓を鷲掴みにされた経緯があり、鏃で心臓をグリグリ抉られてしまう会話劇に完敗状態。今回も見逃せない。俺はマゾか!?
過去に見たiakuの芝居についての感想は以下。
  →百景社アトリエ祭2016 iaku(大阪)『仮面夫婦の鏡』
  →iakuの『エダニク』を見て来た
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声に出して読みたい「ジョン・シルバー」
2018-05-20 Sun 00:00
1805184.jpg角川文庫に唐十郎の戯曲が入った最初の1冊目の総タイトルは『少女仮面』(右写真)で、「ジョン・シルバー」「少女仮面」「少女都市」の3本が収録されている。「ジョン・シルバー」はスティーヴンスンの『宝島』に出てくる片足のジョン・シルバーがモチーフになっている。「少女仮面」は老いた宝塚スターと『嵐が丘』で亡霊となって荒野を彷徨うヒースクリフとキャサリンの姿がだぶっている。「少女都市」は1955年頃NHKで放映された『新諸国物語』の「オテナの塔」「紅孔雀」「笛吹童子」などが関係あるかもしれないが、わからん。唐十郎の戯曲では、有名無名の物語や事件の断片がちりばめられているので、それを知っていると解読の手掛かりになったり反対に意外性が増したりと、分からないなりにも戯曲への取っ掛かりのチャンネルが増える様になっている。また、現実感のないシナリオであるにも関わらず、俳優の動作や言葉のリズムを想像しながら自分で声に出して読むのもけっこう面白く、たとえば「ジョン・シルバー」などはそのようにして読むのに合っている様に感じられる。機会があったらお試しあれ。
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『別冊新評 唐十郎の世界』
2018-05-18 Fri 00:00
このところ唐十郎の戯曲を読んだりYouTubeに記録されている音声を聞いたりしている。状況劇場の舞台で映像が残っているものは極めて少ない様で、YouTubeで見ることができるのは『ジャガーの眼』1985年初演が唯一かもしれない。今回初めて見たが、よかった。3回繰り返し見てしまった。

1805152.jpg『別冊新評 唐十郎の世界 <全特集>』 新評社 600円 1974年

発売時にも購入したのだがその後無くしてしまったこの冊子、今回また読みたくなったので古書店で再び購入した。唐十郎が状況劇場を旗揚げして10年ほどの時期に編集されたもので、錚々たる執筆陣が唐演劇についてああでもないこうでもないと評している段階。言い換えると、何が何だかよくわからないが、目を離せないということだったのだろう。自分はその後しばらく目を離していたが、久しぶりに読んで引きずり戻されてしまった。
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『唐版 風の又三郎』
2018-05-16 Wed 00:00
1805072.png『唐版 風の又三郎』 唐十郎著 角川書店 1200円 1974年

 装幀がすてき。いろいろな方向から眺め回してしまう。ここからすでにその世界へ入り始めているのかも。なかなか読みだすところまで辿りつかない。いざ読み始めても何が何だか、、、。
今はいい時代。こんなものまで手に入る。
 →唐版 風の又三郎
初演の年1974年、京都下鴨神社での公演らしい。主演は李麗仙、根津甚八。2時間56分15秒、音声のみだが、あるとないとじゃ大違い。この前、「私が読んでいるのは唐作品の極めて初期の作品に限られていることになる。」と書いたが、そのころ高校生だった自分は新宿花園神社の、あるいは上野不忍池の紅テントへ行ったわけではなく、それから数年後、すでに伝説となった後に数多の唐作品の存在を知ることになるのだった。
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唐十郎の戯曲を読み直してみたくなった
2018-05-11 Fri 00:00
1804301.png9年前の5月に唐十郎の芝居を始めて見に行った。
 →劇団唐組水戸公演『黒手帳に頬紅を』

そこに書いたように、通っていた杉並区の高校の北門を出たところにはバカパンと呼ばれ我が校同窓生から親しまれていたパン屋、その隣に唐十郎の自宅兼稽古場があった[右図黄色矢印の所だったと思う]。唐十郎のことを教えてくれたのは演劇部の顧問をしていた芝居好きの英文法担当の川合好彦先生だった。英語が苦手な自分でもシェイクスピアなどの演劇についての雑談だけは聞いていて楽しかった。そのころ、芝居に特段の興味を持っていたわけではなかったが、そのようなきっかけがあったので、唐十郎の戯曲を読み始めることになった。

1805071.jpg当時すでに『少女仮面』が角川文庫に入っていた。『盲導犬』以降は刊行の度に買い足していった。
 少女仮面 ジョン・シルバー
      少女仮面
      少女都市
 盲導犬  盲導犬
      海の牙 ー黒髪海峡篇ー
 滝の白糸 唐版 滝の白糸
      由井正雪
      ガラスの少尉
 吸血姫  吸血姫
      愛の乞食
 煉夢術  煉夢術
      24時53分”塔の下”行は竹早町の駄菓子屋の前で待っている
文庫本以外で読んだのは、『唐版 風の又三郎』、『二都物語』、『夜叉綺想』などだったと思う。この中でもっとも新しい作品は「唐版 滝の白糸」(1975年)だから、私が読んでいるのは唐作品の極めて初期の作品に限られていることになる。
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百景社アトリエで韓国の演劇
2017-05-30 Tue 00:00
1705291.jpg久しぶりにホームグラウンドで公演をしている百景社のアトリエへ演劇を見に行った。と言っても、2年ぶりの再演となった『銀河鉄道の夜』は2週間前の取り込み用でキャンセルし、今夜は韓国の劇団、正義の天下劇団コルパンの『老いた少年たちの王国』というオリジナル脚本劇(作・演出:オ・セヒョク)の最終日だった。老いて娘たちに国を奪われたリア王と現実見当が怪しくなったドンキホーテがソウル駅で出会うところから話が始まる。終演後の挨拶でオ・セヒョク氏は、3年前のセウォル号事故によって社会が騒然とした時期、演劇界にも打撃のあった中で作った作品と説明していた。社会や政治が背景にあるのだろうと感じさせる部分も多かったが、老いた者と社会に足場の無い若者の確執は日本も韓国も似たところがありそうだ。
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iakuの『エダニク』を見て来た
2016-06-11 Sat 00:00
1606101.jpg先日武蔵野市の両親の様子を見に行った帰りに、三鷹市芸術文化センターで開催中(〜6月12日)の横山拓也さんの演劇ユニットiakuの『エダニク』を見てきた。2月の百景社アトリエ祭で『仮面夫婦の鏡』を見て心臓をグリグリ抉られて以来横山さんのファンになってしまい、代表作といわれるこの『エダニク』はその時から見たいと思っていた。

扱いの難しい要素の多いまさにアンタッチャブルなテーマを取り上げる横山さんのチャレンジャーとしてのエネルギーと迫力を感じる舞台。登場人物3人のキャラクター設定が明確なため話がテンポよく流れてダレる間がなく、1時間45分があっという間だった。「この建物の塀を越えた途端、どうしてウチの豚はモノになっちゃうんですか?」という問いかけは、屠場というボーダーの混沌を的確に表現していると感じた。そしてこのセリフによって、普段、飼われている豚や牛とスーパーに並ぶお肉のパッケージの間の工程を意識/無意識にかかわらず考えないようにしている観客もボーダーへ引きずり込まれてしまう。会話劇の面白さを存分に楽しめるオススメの演劇だ。

 →iaku
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百景社アトリエ祭2016 iaku(大阪)『仮面夫婦の鏡』
2016-02-02 Tue 00:00
1601311.jpg土浦の劇団百景社のアトリエ祭2016、せっかくのアトリエ祭なので百景社以外の演劇も見ようと思い、大阪の演劇ユニットiakuによる『仮面夫婦の鏡』(作・演出:横山拓也)を観てきた。「夫の長期出張中に無断で美容整形手術を施した妻。そんな妻に腹を立てた夫のいびつな反抗。他人の口論を覗き見するような関西弁口語の会話劇」という宣伝文句に惹かれたのだが、もう、最初から最後までグサグサグサと心の中を突かれるような会話の連続。劇の中の他人の口論だから笑ってしまうが、自分のこととなると似たような状況になってもなかなかその場で言語化できないものだ。終演後、横山さんに「どこかから我が家のことを見ていたのではないですか?」と感想を伝えてきた。
百景社の志賀亮史さんお勧めの同じ横山さんの『エダニク』三鷹公演、チャンスがありそうなので行ってみようと思う。
[写真は百景社ホームページより]

 →百景社
 →百景社アトリエ祭2016 iaku(大阪)『仮面夫婦の鏡』
 →常陽新聞:三島作品「近代能楽集」現代風に上演 土浦の劇団百景社
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百景社アトリエ祭2016 『近代能楽集』
2016-01-25 Mon 00:00
1601241.jpg土浦の劇団百景社のアトリエ祭2016の二日目夕方の部に行ってきた。3週間のアトリエ祭の期間に三島由紀夫の『近代能楽集』収録戯曲8本全てを上演するらしいが、特に最終日2月11日は午前中から夜まで8本全てを1日で一挙上演するというおバカな企画もある。仕事が無ければお付き合いしてみたいと思う自分もおバカなのだろう。能楽と言っても、能に題材を採った近代演劇なのでこれだけでも十分楽しめるが、能のあらすじや小道具の意味などを知っていればさらに深く理解できるように思われる。

今日見たのは「邯鄲」と「綾の鼓」。三島の原作は読んでおいたが、いつもながら「こう来るかぁ」という予想不可能なぶっ飛んだ演出だった。今回は百景社主宰志賀亮史氏ではなく三条会関美能留氏の演出だったが違和感無く百景社の舞台になっていたと思う。ネタバレしないように詳しくは書かないが、終演後のお茶会では劇の進行とともに(ハプニング絡みで)調理された出来上がったばかりのカレーの試食をさせてもらった。先月、関連企画のリーディングの会で「卒塔婆小町」と「道成寺」の朗読(+人形劇)を聞いているので、これで半分は読んだことになる。残り半分は演劇を見に行く時間はないので自力で読んでおこう。

 →百景社
 →常陽新聞:三島作品「近代能楽集」現代風に上演 土浦の劇団百景社
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土浦キララまつり
2015-08-03 Mon 00:00
1508022.jpg8月1日、2日と土浦キララまつりが開催された。夕方、市内各町内から集まった山車を見ながら土浦城付近から土浦駅までの歩行者天国を歩いた。こんなにたくさんの山車が集まって賑やかだとは思っていなかった。たくさんの若い人が参加しているが、普段どこにいるんだろう。

ひとつはこういうところにいた。19時過ぎから百景社俳優によるまちなかリーディングを見て、終了後懇親会を楽しんで帰ってきた。演劇の場には若い世代がいることを先日の「銀河鉄道の夜」の公演の時同様今回も感じた。

天気が良ければ21時頃に見易い位置に来る土星を眺めてもらおうとTeegul-100を準備しておいたが、今年は小雨がパラつき星見はできないキララまつりだった。
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百景社 土浦の夜を『銀河鉄道の夜』へ変える演劇の力
2015-06-14 Sun 00:00
土浦は痩せても枯れてもやはり街だなぁと感じるのはこういう体験ができるからだ。

1506122.jpg6月8日の夜、劇団「百景社」の『銀河鉄道の夜』の公演を見てきた。[右写真はキララちゃんバスブログよりお借りした]
2000年からつくばを中心に活動していた「百景社」が土浦真鍋にアトリエを作りここを本拠に活動を始めたのが2013年。2014年に『マクベス』公演をした頃から気になっていたのだが、ようやく見に行く機会がやってきた。それが『銀河鉄道の夜』とは、星好きにとってはまさにお誂え向きの舞台設定・演目ではないか!

開演30分ほど前に受付を済まして開場を待つが、集まって来た人たちを見ながら、普段土浦のどこにいるの?と思うくらい若い人が多いのに驚く(我々3人が最高齢みたい)。前売り2500円、当日2800円、2週間前上演の『シンデレラ』とのセット券4000円、18歳以下500円というのは気軽に演劇を楽しめるありがたい金額だが、この収入だけでは厳しいだろうなと想像してしまう。

1506121.jpg夜19時、主宰者・志賀亮史さんの開演の挨拶に続く一声「山本さんお願いします」。ジョバンニ役の山本晃子さんが「はい!」と言って舞台中央の机にいきなりうつ伏せになって劇が始まった。そしてそのまま、午后の授業、活版所、家、ケンタウルス祭の夜、天気輪の柱のエピソードが進む間延々寝続け、銀河ステーションで列車が動き出したころむくりと起き上がる。そこから白鳥の停車場、プリオシン海岸、鳥を捕る人、切符改札と進み、鳥捕りが去るのと入れ替わりに難破した少女の一行が乗り込んでくる。この章は長いので快速運転でエピソードのいくつかを飛ばすという演出で文庫本80頁が1時間30分に収まる。遠くで鳥を捕まえていた鳥捕りが突如座席に座ってるという早業、押し葉になった鷺を見せるところ、雁を食べさせるところなど、特撮でもないと表現できないような部分の演出は秀逸だった。また、配られたチラシの中の『銀河鉄道の夜』路線図には、エピソードや停車場と星座との位置関係が描かれていて、これも面白い資料だ。

「みんながこうであると思い込んでいる世界の仕組みを見直して、新たな想像力で世界を作り直そう」とする宮沢賢治の想像力と演劇の想像力とが入り交じった不思議な旅という志賀さんの意図した創造空間が私たちの目の前に現れていたと思う。たった4日間、4回の公演だけでは勿体ないと感じる良い劇だった。いつかまたアンコール公演をしてもらいたい。

次回以降の公演もぜひ見に来たいと思うが、今後は土浦の街中に出て新しい接点を作りたいと別のところ(常陽新聞「ひと」欄)に書かれていたのに興味を惹かれる。百景社、しばらく目が離せない存在となる夜だった。
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プレゼンは演劇だ
2011-11-20 Sun 00:00
111116.jpgジョブズのプレゼンは評判だったが、この彼もまたすごい。
こういうのを見ると、プレゼンは新たな演劇のひとつの形態に思えて来る。
 →未来からの声 ― 6年生の iPhone デベロッパ
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劇団唐組水戸公演『黒手帳に頬紅を』
2009-05-18 Mon 00:50
0905162.gif 水戸芸術館広場での劇団唐組講演を見てきた。お題は『黒手帳に頬紅を』。
 通っていた高校の裏門を出たところに生徒たちがバカパンと呼んでいたパン屋があり、その隣に唐十郎の状況劇場稽古場はあった。唐や李麗仙その他の役者たちがときどき二階のデッキから世間を眺めていたが、バカパンで買い物をしながら私たちは彼らを下から眺めていた。090517.jpgそんな近しさもあり唐十郎の戯曲は高校時代にたくさん読んだが、あれから35年、芝居を見るのは今回が初めて。話の筋?あるようなないような、説明できませ~ん。私にとっては心の同窓会でも、これまでなんの接点も無かったヨメさんには退屈だったらしい。[右写真:芝居が跳ねた後の紅テント]

【関連サイト】劇団唐組についてはこちらを→「唐ファン」
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| 霞ヶ浦天体観測隊 |

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