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ヒッグス粒子の存在確定
2013-10-06 Sun 00:00
ヒッグス粒子:存在確定 物理学の標準理論完成
 2012年7月4日、CERNはヒッグス粒子の存在が確実になったと発表した。そして明日2013年10月7日、『Physics Letters B』誌上でヒッグス粒子の発見が公表されるようだ。まどろこしい話だが、理論が予言するように、質量125.5GeVに加えスピン0も確認されたことでヒッグス粒子の存在が確定となり、同時に「標準理論」の完成ともなった。

10月8日にノーベル物理学賞が発表されるらしいが、さっそく「ヒッグス氏受賞に追い風」といったニュースの見出しが飛び交っている。

 →Wiki:ヒッグス粒子
別窓 | 物理ネタ | コメント:16
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この記事のコメント
「ヒッグス粒子らしき」が「ヒッグス粒子」になったようですね。私としては、物質基本粒子の質量起源というなら、フェルミオン質量に比例した結合強度を確認するまでは、...と思うのですが、事象発生確率の大きさとウィークボゾンの結合とスピン・パリティでOKとされたのでしょう。専門家からみてヒッグス粒子の本筋がこっちにあるということなら良しとも思いますが、かすてんさんはどう感じられますか。

>2013年10月7日、『Physics Letters B』誌
http://www.sciencedirect.com/science/journal/03702693/726/1-3
の Experiments のところです。この号にATLASはありますが、CMSはないですね。オープンアクセスになっているので、無料で読めます。
2013-10-06 Sun 08:15 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>フェルミオン質量に比例した結合強度を確認するまでは

そうですね、基本粒子の質量起源といわれて来た流れで素直に考えるとヒッグス粒子の本質はこちらにありそうに感じられますね。

理論が予言するヒッグス粒子のいくつかの性質が確認されたのでヒッグス粒子発見ということは、「標準理論の完成がヒッグス粒子の本質」という考え方が本流なのか?、、、あれ?本末転倒?
2013-10-06 Sun 21:23 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ヒッグス粒子の本質...本末転倒?
 ヒッグス機構で標準理論が完成できるというのがヒッグス理論の本質であり、その部分が確認されたのがヒッグスの証明である。本末転倒のようでもありますが、それでよいのかもしれません。ジグソーパズルの最後の1つのピースは、もはや部品の一つではなく、絵を繫げるという意味もなく、ただ完成させること自体が使命になってしまいますよね。必ず、最後の1ピースはあるのですから、それが本質と言えないこともないでしょう。
 
 もともとの理論としてはゲージボゾンに質量を持たせる機能が本流であり、実験的には標準理論を完成させることが本流となり、一般普及的には基本物質粒子の質量起源であることが本流と言えそうです。どれがどうとも言えませんが、本当の本流は、将来の科学史研究家が決めることだと思います。

 もう残り日数が2日になったので、ここはノーベル物理学賞最有力、と予想させていただきたいと思います。
2013-10-07 Mon 07:17 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ジグソーパズルの最後の1つのピースは、もはや部品の一つではなく、絵を繫げるという意味もなく、ただ完成させること自体が使命になってしまいますよね。必ず、最後の1ピースはあるのですから、それが本質と言えないこともないでしょう。
 
巧いことを言いますね。

で、ノーベル物理学賞は大方の予想通りにヒッグス氏とアングレール氏に決まった様です。とは言っても、私を含め一般大衆レベルではアングレール氏は初めて聞いた名前ですが。

>一般普及的には基本物質粒子の質量起源であること

私も『強い力と弱い力』を読むまでは間違っていたので偉そうなことも言えませんが、それにしてもこの期に及んでも相変わらずマスゴミは「全ての物に質量を与える素粒子「ヒッグス粒子」」と報道し続けているのには呆れてしまいます。
2013-10-08 Tue 20:48 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ノーベル物理学賞は大方の予想通りにヒッグス氏とアングレール氏

 私もアングレール氏は存じ上げませんでした。不勉強な者です。今年ほど予想が当たっても自慢にならない年は珍しいです。

>相変わらずマスゴミは
 このマスコミの報道を聞いた時には、自分のこれまでの理解が間違っていたかと思ったものです。
 「質量起源」はともかく、せめて「摩擦抵抗」のたとえは、エネルギー保存則とローレンツ不変の基本的なところを明瞭にハズしていて素人さんにもすぐにへまが見破られてしまうので廃止してほしいものです。
2013-10-09 Wed 06:42 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>私もアングレール氏は存じ上げませんでした。不勉強な者です。今年ほど予想が当たっても自慢にならない年は珍しいです。

そうですか、私が素人だからというわけでもなかったのですね。業績に高い低いは無いのでしょうが、ヒッグス氏とヒッグス機構の知名度の高さに比べ、アングレール氏の存在感の薄さがあまりに対照的です。

>マスコミの報道

例えば時事通信の記事では、「宇宙のあらゆる所を満たしている素粒子(ヒッグス粒子)によって他の素粒子の動きが邪魔され、動きにくくなることで質量が生じるとの理論を発表した」とあります。この「ヒッグス粒子が邪魔している」と読める書き方、時事通信に限らずいたるところにありますが、これはなんとかして欲しいです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013100800904
その他「神の粒子」もいい加減にやめてくれと思います。
2013-10-09 Wed 11:59 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>ヒッグス氏とヒッグス機構の知名度の高さ
でも、ヒッグス氏も、1~2年ほど前までは、素粒子関係以外のおおかたの人には、「顔写真を初めて見た」とか「ヒッグスは人の名前だったのか」という状況ではなかったかと思います。

>他の素粒子の動きが邪魔され
 けなすばかりでもいけないので、どこに問題があってどう直せばよいのか考えてみました。ようするに、この喩えは、「慣性質量とは動かしにくさのことである」という力学の原理を押さえているように見えて、エネルギー保存を満たしていなかったり、ぶつかって抵抗がどうのというところでリアリティを失っています。
 最大の問題は、もし質量が抵抗ならば、たとえば粒子が2倍の速さで飛べば、一定の時間内に2倍の数のヒッグスにぶつかるから質量も2倍(あるいは抗力を考えるとそれ以上)になるはずだとか、ヒッグスにエネルギーが移って減速するだろうとか、静止していれば質量は無いも同じか?、静止質量のmc^2はどうしてくれる?、などのボロがたちまち出て来ることです。これでは、力学体系の威信さえ失われてしまいかねませんので深刻です。

 そこで私の改定案ですが、ヒッグスにぶつかるのではなく、近くのヒッグスから「おめぐみ」をもらう(チップをもらうのでもいいです)ことにしたらどうでしょうか。素粒子はこのおめぐみを一定のペースでもらうことによって自己の質量を維持していることにすればよいのです。ヒッグスにとっては、このおめぐみのチップはほとんど価値が無く無尽蔵に持っているとします。また、素粒子の種類によって一度に受け取るチップの量に違いがあって、これが質量の違いになっています。
 ようするに、「ぶつかって抵抗が」などという小賢しいことを考えるからいけないので、質量はエネルギーですから、財産をいただくのだ、と考えれば良いのではないでしょうか。

>「神の粒子」
アメリカの大手のCBSですら God Particle だそうですから、こっちは当面処置無しのようです。
 
http://www.cbsnews.com/8301-205_162-57606461/discoverers-of-higgs-boson-a.k.a--the-god-particle-awarded-nobel-prize-in-physics/
2013-10-09 Wed 19:14 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>ヒッグス氏も、1~2年ほど前までは〜

そんなもんでしたか。「ヒッグス機構」という名称のおかげで名前は後から売れたということの様ですね。

>「おめぐみ」

これは新解説法ですね。ちょっとピント来ませんが。

日本科学未来館 科学コミュニケーターブログの「2013年ノーベル物理学賞、発表!〜新しい物理学の幕開けだ!〜」という記事でヒッグス粒子の説明をしていますが、さすがに科学コミュニケーター氏、インチキをしないで説明しているように感じました。
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/2013100833042
2013-10-10 Thu 13:25 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>「おめぐみ」~これは新解説法
 まあ、昨日思いついたアイデアですので、当面ピンと来なくても良しとして下さい。
 さらに悪のりすると、ヒッグスが無制限におめぐみをくれるのは、自発的対称性の破れによって、有限の財産が安定的にキープしされるためです。(我々の資本も自発的対称性の破れが起こっていたら破産せずにすむのに)それなら、やはり、ヒッグスは「神の粒子」あるいは「仏の粒子」と言えるかもしれません(これは冗談)。

>科学コミュニケーター氏、インチキをしないで説明している

 はい、そうですね。説明しているうちにつっこまれてボロが出るような喩えでは困りますので、ごまかしはしにくいでしょうね。

 でも、厳しいことをいうと、静電場や静磁場で働く引力や斥力を光子の伝搬で説明するのもあまりよろしくないのではないかと思います。 ここに書かれているような、力の及ぶ範囲と場の粒子の質量の関係を説明したい場合は、その限りでは良い説明だとは思います。しかし、それ以外の一般的な場合は、正直言って、わかりやすい良い説明とは言えないでしょう。

 第一に、静電場中を光子がどう飛んでいるのかがイメージできません。何個飛んでいるのかもイメージできませんし、簡単な計算で示すという話も聞いたことがありません。第二に、素粒子物理の専門家でも、静電場を光子の交換で計算したりはしません。やっぱり、古典的な電磁場として計算します。粒子性を強調するメリットはないように思います。

 電磁場中で電子がはじき飛ばされるような散乱をする場合は、光子の描像でいいですし、光なり電波がある場合は光子ですが、単に荷電物体がじっと引き合うだけでしたら、光子に関係のある力が働いているだけに留めて、光子でなくてもよろしいでしょう。

 「静電気力は光子のキャッチボール」などというと、「なぜ引力もあるの?」という質問が出て窮することになるようです(悩ませてすみません)。

 でも、この科学コミュニケーターさんの説明の、ヒッグス機構の素粒子物理の説明のところは、ほんとうに丁寧に書いてありますね。
2013-10-10 Thu 17:46 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>昨日思いついたアイデアですので

生まれたてのほやほやということは、ブラッシュアップすることで分かりやすい説明になる余地があるということですね。

>我々の資本も自発的対称性の破れが起こっていたら破産せずにすむのに

無政府状態のような対称性も困りますが、対称性が破れて右向け右の全体主義や国家統制下で財産が保護されても息苦しいですね。

>「静電気力は光子のキャッチボール」

昔から使われているたとえ話ですが、今のヒッグス粒子眉唾解説を機に、電磁場と光子の説明も見直す時期のようですね。
2013-10-10 Thu 21:21 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
ちょっと理由がわかったのですが、この問題の大半は、量子力学を古典力学の「喩え」で説明するところに問題があるのですね。

 量子力学と古典力学のあいだでアナロジーが成り立つ場合にも、量子力学特有の現象で古典力学には対応の取りようのない場合にも、一緒くたに境界無しに説明するからいけないのです。これでは、量子力学を多少かじっている人にとっても、どこまでが信頼できてどこから眉唾になるのかわかりません。はじめはもっともだと聞き始めても知らないうちに大脱線になっているかもしれません。

 「光子のキャッチボール」というのは、喩えとしては悪くなく、ボールが投手から捕手に飛んでいくこと、運動量・エネルギー保存が成り立つところまでは人間のやるキャッチボールと同じですが、この光子は仮想光子ですから、決まった速度で時空間を真っ直ぐに飛んでいくわけではありません。

 ですから、わかるように説明するためには、古典論のアナロジーが成り立つ部分と成り立たない部分を峻別し、前者は力学的な喩えで、後者は物理現象ではありえない喩え(たとえば、宗教とか経済とか架空の概念とか)によればよろしいのだと思います。

 ですから、場のヒッグスに力学的な抵抗を受けるのはまずく、ヒッグスから「おめぐみ」をもらえば良いわけです。キャッチボールでも、投手と捕手が背中合わせになって、投手が少年漫画に出てくるような魔球「ブーメランボール」を投げれば、投手と捕手の間には引力が働きます。この場合、ボールが投手から捕手に渡り、最終的に運動量・エネルギー保存が成り立つところは、古典論と同じですが、魔球の途中経路は議論できないわけです。
2013-10-13 Sun 06:48 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>量子力学を古典力学の「喩え」で説明するところに問題がある

そもそも古典力学で説明できないから量子力学が必要になったわけで、この問題は仕方が無いって言えば仕方が無いですね。

>投手と捕手が背中合わせになって

これは「素粒子と素粒子は正面向き合って経路の見えるボールを投げ合っているのではないよ」ということを言っているのですね。むしろ、「経路の見えない魔球で繋がっている」ということで。
2013-10-13 Sun 17:29 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>素粒子と素粒子は正面向き合って経路の見えるボールを投げ合っているのではないよ

 そういうことです。電子に顔がついていて、光子の軌跡を追っているわけではないでしょうからね。

 なお、この「背中合わせでブーメラン」の説明は私のオリジナルではなく、小柴先生だったかの本の図に出ていたものです。また、「魔球」も都筑卓司先生の『不確定性原理』だったか?に、確か大リーグボールの消える魔球が使われていたのを思い出したもので、権威のあるものですよ。
2013-10-14 Mon 11:57 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>「背中合わせでブーメラン」「魔球」

なかなか権威あるたとえ話ですね。
2013-10-14 Mon 17:57 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
今調べてみると、都筑卓司先生の『不確定性原理』は、1970年の刊行で、この時点でまだ「巨人の星」は週刊マガジンに連載中でした。当時はまだ都筑先生のブルーバックスに権威も何もなかったはずですが、先見性は図抜けていたことになりますね。
2013-10-16 Wed 21:15 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
都筑卓司先生は1970年前後の数年間に『不確定性原理』の他に『四次元の世界』『マックスウェルの悪魔』『タイムマシンの話』を立て続けにヒットさせて、一躍理科少年のヒーローになりました。私たち世代の理科少年で手に取ったことが無いという人は珍しいのではないでしょうか。
2013-10-18 Fri 07:03 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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