33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
「反物質」の励起状態を測定できたらしい
2016-12-22 Thu 00:00
・「反物質」測定に成功、宇宙解明に向け第一歩
・「反物質」の謎、解明へ一歩 東大など実験成功
 今日時点ではどの新聞もほとんど同じニュースを報じているだけで詳しい解説は明日以降になりそうだが、ざっと以下のような成果が出たということのようだ。
 (1)反水素原子を磁場内で保存できたこと、(2)その反水素原子にレーザー光を当ていわゆる励起状態を作ることに初めて成功したこと、(3)このときに必要な光の周波数(エネルギー)が普通の水素原子と同じであることがわかったこと、これらがこの実験の成果になるのだろう。今後は、測定精度を上げて、水素と反水素でエネルギー状態を変えるのに必要な光の周波数の僅かな違いを見つけたいということらしい。
 ところで、読売の記事にある添付図はいったい何を説明したいのか意味不明。

1612211.jpgCERNのALPHA実験の成果についての広報ページは以下[写真も]。
CERN:ALPHA observes light spectrum of antimatter for first time
別窓 | 物理ネタ | コメント:8
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この記事のコメント
こんな実験があったのですね。アサクサ実験は聞いていましたが、これは知りませんでした。

>読売の記事にある添付図
 確かにわかりにくい図ですね。
この「エネルギー変化」というのが、バルマー系列なのかまた別の系列なのか微細構造(LS)なのか超微細構造(SS)なのかわからなかったので、こんな図になったのではないでしょうか。
 なお、CERNの資料によると、1S→2S遷移を測ったとあるので、これはライマン系列ですね。
2016-12-22 Thu 08:21 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>アサクサ実験
 CERNのページのどこかに、反陽子を年のオーダーで保存できたとありましたが、ASACUSA実験とも関係しているのかもしれません。

低速反陽子を長期保存できるようになると、W3(ワンンダー・スリー)が持ってきた反陽子爆弾のリアリティが当時よりも増して感じられます。
2016-12-23 Fri 18:51 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>反陽子を年のオーダーで保存
情報ありがとうございます。知りませんでした。
BASE という実験の次のニュースのようです。

https://home.cern/about/updates/2016/12/base-antiprotons-celebrate-their-first-birthday

>W3
 BASE実験は、電磁場で反陽子原子を閉じ込めているみたいです。W3の星の反陽子爆弾もマンガで見る限り、似たような仕組みではないかと思いますが、液体反水素かもしれません。低温にすれば、反水素が宙に浮いた状態で分子にして液体になるのか、このへんはCP対称性を仮定していいので開発の手がかりはいくらでもありそうです。
 問題は、反陽子をそれだけ製造するのに、爆弾の威力以上のエネルギーが必要なことで、こちらが問題ですね。ウランと違って反陽子の天然資源はないので、大量破壊兵器としての反陽子爆弾が地球で製造されるリスクは皆無だと思うのですが、甘いでしょうか。
2016-12-24 Sat 08:22 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>問題は、反陽子をそれだけ製造するのに、爆弾の威力以上のエネルギーが必要なことで、こちらが問題ですね。ウランと違って反陽子の天然資源はないので、大量破壊兵器としての反陽子爆弾が地球で製造されるリスクは皆無だと思うのですが、甘いでしょうか。
 甘いですね。製造に爆弾の威力以上のエネルギーが必要だとしても、エントロピーが小さくなりますから爆弾の価値が出ます。
2016-12-24 Sat 09:31 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>エントロピーが小さくなりますから爆弾の価値
 爆弾のコンパクト化によるメリットは認めますが、原子爆弾規模の物の製造の「リスク」は小さいものと思います。

 現状では反陽子を製造する際に電磁石やパイ中間子にエネルギーを無駄に持って行かれるので、こういうのを回収する技術をもっと進めることが必要だと思います。小型の物の利用価値はあるかもしれません。

 物質と反物質が消滅するとすべて光子のエネルギーになる、と一般にはよく言われていますが、実はそうではなく、陽子と反陽子の消滅の場合はほとんどはパイ中間子になり、小型の反陽子爆弾の場合は、それが外まで出てきて原子核破砕を起こすので、ぜんぜんクリーンでもないし、陽子や中性子のビームと比べてどれほどのメリットがあるか私にはあまり見えてきません。
2016-12-24 Sat 09:50 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>物質と反物質が消滅するとすべて光子のエネルギーになる、と一般にはよく言われていますが、実はそうではなく、陽子と反陽子の消滅の場合はほとんどはパイ中間子になり、小型の反陽子爆弾の場合は、それが外まで出てきて原子核破砕を起こすので、ぜんぜんクリーンでもないし、陽子や中性子のビームと比べてどれほどのメリットがあるか
 対消滅→2γというのは電子+陽電子の時でしたっけ。たとえ光子だけだとしても高エネルギーγ線ですからちっともクリーンではないですけど、陽子+反陽子消滅を使ってπ中間子爆弾が作れてしまいますね。
2016-12-24 Sat 12:47 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>対消滅→2γというのは電子+陽電子の時でしたっけ
 そうです、そうです。電子陽電子は通常、電磁気力のみなので、光子になるほかはなく、γ線は直接浴びると人体に有害でクリーンとは言えませんが、エネルギーが低ければ、原子核の放射化で環境に影響を残す効果は限定的です。
2016-12-24 Sat 17:23 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>γ線は直接浴びると人体に有害でクリーンとは言えませんが、エネルギーが低ければ、原子核の放射化で環境に影響を残す効果は限定的です。
 実験装置自体の放射化の問題について電子加速器と陽子加速器の違いをかなり前にコメントいただいていましたね。
2016-12-26 Mon 14:54 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
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