33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名、200mm、65mmの望遠鏡と双眼鏡で星空を楽しんでいます!
日本の衰退を加速させたい力か? 国際リニアコライダー計画もか
2019-01-06 Sun 00:00
1901092.jpg・一大転機は後ろ向きかも>国際リニアコライダー計画の暗雲
 知人のブログにILCに関する記事が載っていた。KEKと日本学術会議の対立軸に加えて、加速器大県である茨城の地場産業として捕らえよという視点が、地元ネット紙記者相坊さんらしい。

 →日本学術会議:国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見
 →KEK:「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見」について
 →朝日新聞:国際リニアコライダー(ILC)の学術的意義とは 日本学術会議の「所見」に、推進側は「事実誤認」と猛反発
別窓 | 物理ネタ | コメント:3
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この記事のコメント
ILC誘致に関して、地元(岩手ではなく茨城)の記者さんが独特の立場で分析されていることに感服いたしました。この方は、記者兼技術系研究者でいらっしゃるのでしょうか。

 学術会議の所見は、もっぱら物理学と国家経費の視点から書かれていて、加速器技術、地元(こちらは東北)関連産業の発展の視点はほぼ抜け落ちていること、KEKはすでに茨城での加速器計画(ヨーロッパのLHCもあります)を進めていること(「一枚岩でない」というより「一加速器でない」というべきでしょう)から、煮え切らないものとご覧になったのだと思います。

 しかし、この方がおっしゃるように、日本に大型加速器を誘致する前提として、実現可能な加速器技術の存在と地元の方々の熱意が欠かせないわけです。もちろん、物理学的意義と国家予算がさらに重要だというのはその通りなのですが、後者は、科学の進歩や経済状況、国民世論などその時々の動向で変化するのに対し、前者は、長年の、人材・人脈育成の時間を要するもので、これをないがしろにしては、将来、後者の必要が生じたときにも身動きがとれなくなります。現時点で、より大事なのは、前者かもしれません。

 今回の学術会議の所見は、要旨にありますように、現時点でのILC計画(250GeVのエネルギーでヒッグス粒子の精密測定をする特定の計画の第一段階)を検討した内容なのですが、世界の巨大加速器建設全体に広げて最後に後ろ向きとも読み取れることを書いているのは、論点をわかりにくくし、かつ誤解を招きかねず、問題ではないかと思います。
2019-01-06 Sun 07:24 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>今回の学術会議の所見は〜現時点でのILC計画(250GeVのエネルギーでヒッグス粒子の精密測定をする特定の計画の第一段階)を検討した内容
 計画時の目標が達成されればそれで終了させる、という前提で語っているようにも聞こえてしまいます。
2019-01-09 Wed 20:04 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>計画時の目標が達成されればそれで終了させる、という前提で語っているようにも

 このへんは、多少仕方ない事情もあります。

 リニアコライダーは、お尻に加速管を足していけばエネルギー増強のアップグレードが無駄なくできるのですが、250GeVで計画して目標達成後、500GeVにしようとすると、また同じくらい(完全に比例はしないでしょうが)お金と建設時間がかかりますので、おいそれとアップグレード案は通りません。では最初から500GeVで造ることにして、途中で半分出来たところでしばらく実験する、とするのも一案ですが、これだと計画全体のコストが大きいことになってしまうので、スタートからし辛くなります。

 リニアコライダーの歴史が遠い将来まで続くなら250GeVマシンが第一段階であることは間違いありませんが、これに今から第二、第三の段階をくっつけて議論するのは、困難があります。
2019-01-10 Thu 18:29 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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