2007年、33年の時間を巻き戻し天文少年ならぬ天文壮年へ再入門。隊員1名。その後の変化でただいま星空は休眠状態。郷土史、草刈り、読書、ドローンの記事が多くなっています。
桃太郎 読みつくし
2019-10-02 Wed 00:00
1909292.jpg『桃太郎は盗人なのか? ~『桃太郎』から考える鬼の正体~』
           倉持よつば著 新日本出版社 2019年 1500円

 小学5年生による、桃太郎と鬼の正体についての調査報告書。問題点を挙げ→文献を探し→読んで→比較→検討→結論→新たな問題点→文献を探し→読んで→比較→検討→結論→次の新たな問題点→、、、という手法で、桃太郎の行動や鬼の描かれ方を比較して謎の解明を目指す。江戸時代の赤本(復刻版)以降、2017年発行の関連書200冊以上を丹念に読み比べしている。調査への粘り強さと態度には只者でなさを感じる。現地調査の中で、2018年に京都の大江山を尋ねて、直前の西日本豪雨被害への見舞いが書かれているが、先日の台風15号では千葉県袖ケ浦市の自宅も何らかの被害を受けているのでは無いだろうか。原本や調査記録が水浸しになっていなければ良いのだが。
 →東京新聞:「桃太郎」の鬼は悪くない 袖ケ浦の小6・倉持さんが本出版
 →図書館振興財団:桃太郎は盗人なのか? ー「桃太郎」から考える鬼の正体ー
 これは原本のPDF版。出版された本と見比べて驚くのは、目次や大見出し、小見出しが、原本の時点ですでに完成していることだ。構造の末端には若干の並べ替えはあるにしても、出版物にするために構成を変えた部分は無いようだ。

この本とは何の関係も無いのと過去の記事ではあるが、鬼つながりなので節分の日の変動の話題をついでに載せておく。
【衝撃!】節分の日が『2月3日』固定なのは2020年まで。2021年は『2月2日』が節分!?
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この記事のコメント
この人はただものではないですね。このような研究や出版が、将来花開くチャンスがあるような世の中でないといけないと思いました。

 ところで、読まれたことがあるかもと思いますが、太宰治に「お伽草紙」という戦時中に書かれた作品があって、そこに「桃太郎」が含まれなかった理由が書いてあるのですが、皮肉なのか何なのか微妙なコメントが長々と続けられていておもしろいです。

>【衝撃!】節分の日が『2月3日』
 セールの都合等でどうしても2月3日に固定してほしければ、国立天文台に頼んで、こじつけでも何でも二十四節気の日の新しい定義をつくってもらえば何とかなるのではないかと思います。
 冬至と春分の定義を変えるのは不可能なので、普通に考えると難しそうです。国立天文台の先生ならアイデアがありそうですが、やはり何とかなりませんかね。

 私の個人的には、恵方巻のセールや立春の日付はそれほど重要ではありませんので、どうでもいいことです。
2019-10-02 Wed 07:29 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
すごい子ですね。見習いたいです。何食べたらこんな風に育つんでしょう?

節分について。国立天文台ほど正確じゃありませんが、自作プログラムで「立春」を500年ほど計算すると以下の通りでした。将来に加減算される閏秒のずれは考慮してません。

2021年以降は2月3日1回+2月4日3回
2057年以降は3日2回+4日2回
2089年からは3日3回+4日1回
2121年からは3日のみ

2157年からは2日1回+3日3回
2193年からは2日2回+3日2回
2225年からは2日3回+3日1回
2261年からは2日のみ

2297年からは1日1回+2日3回
2329年からは1日2回+2日2回
2361年からは1日3回+2日1回
2397年からは1日のみ

2433年からは1月31日1回+2月1日3回


つまり現行の暦表のままですと、300年も経たないうちに、節分が1月の行事になっちゃいます。他の二十四節気も同様なので、例えば二分二至は現在3月・6月・9月・12月の各20日過ぎですが、500年後はすべて20日前になります。
2019-10-02 Wed 07:35 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
少し書き加えておきましたが、原本と出版本と見比べて驚かされるのですが、目次や大見出し、小見出しが、原本の時点ですでに完成しているんです。調査力やその姿勢に加えて構成力の高さにも驚きました。本当に、何を食べるとこんな風になるのでしょうね。

>太宰治に「お伽草紙」
 太宰のユーモアと皮肉が込められていますね。
https://bit.ly/2lj5GpX

>300年も経たないうちに、節分が1月の行事に
 立春日500年分の計算をありがとうございます。過去に遡ると、140年ほど前は4日のみだったわけですかね?また、これは日が早くなる一方ですか?
2019-10-02 Wed 10:36 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
かすてんさん、みゃおさん

 太宰治の引用ありがとうございます。「桃太郎」へのコメントは、最終話「舌切雀」の冒頭に言い訳がましく出ていますが、どうみても桃太郎への批判です。
 
>「立春」を500年ほど
 グレゴリオ暦では、2100、2200、2300年の閏年を飛ばすので、ここで1日不連続にずれると思いますが、いかがでしょうか。
2019-10-02 Wed 11:42 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
はい、S.Uさん大正解です。上のコメントには続きがあります。

単純なうるう日計算(4年周期のみ)だと、「世紀」レベルで実際の季節と計算上の二十四節気とが乖離します。その修正のため、グレゴリオ暦では4世紀間に3回の「閏日飛ばし」をしなくてはなりません。だから実際は上のコメントのような大きなずれは生じません。(節分が1月になることはありません。)

ずれの具合を1600年から約10世紀分グラフにしたので、よかったらご覧ください。(朝にここまで仕上げて話をまとめたかったのですが、時間不足でした。すみません。)

https://bit.ly/2mNRzxj

2000年や2400年は閏日飛ばしが発生しないので、200年間に渡って日付が早まる傾向です。だんだん右に下がって、時々ぴょんと上がるパターン。時間が早まる傾向にある原因は歳差だけでなく、いろいろ込み入っています。国立天文台の暦wikiに簡潔にまとまってますのでどうぞ。上のグラフと同様のものも載ってます。

https://bit.ly/2nvVlvL

https://bit.ly/2mRVhpI
2019-10-02 Wed 14:08 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
グラフは、どれも思ったよりずっと面白いかたちです。

 国立天文台によると
 「歳差と近日点の移動により約21,000年周期」なんだそうですが、21,000年間の二十四節気の計算というのはないのでしょうか。予報精度からして無理なのでしょうか。モデル計算は出来ますよね。

 グレゴリオ暦が数千年に1日ずれるので、両方の効果があって、21,000年経っても同じところには帰ってこないですね。前者と後者のずれは、どちらも、数千年に1日のオーダーなので、面白い図になるはずです。
2019-10-02 Wed 16:07 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
幼い頃から暦大好き少年だったS.Uさんとかみゃおさんには面白いかもしれませんが、自分にはめんどくさいだけです。
2019-10-02 Wed 18:07 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>めんどくさいだけ
笑。
 個人的には立春の日はどうなってもいいんですが、グラフはゾクゾクするほど面白いですね。

 でも、2021年の節分が2月2日になると、恵方巻が2日にどれだけ売れるか見当がつかず、2日に買い損ねた人が3日にやって来て買ってくれるものかどうかもわからず、3日に売らないとお客から文句が出るかもしれず、さぞスーパーは困るでしょうなぁ。
2019-10-02 Wed 20:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>2021年の節分が2月2日になると〜さぞスーパーは困るでしょうなぁ。
 来年の節分の頃に一旦話題に上るでしょうけど、本番の頃には忘れている人たちで若干の混乱は起こりそうですね。まぁ、どうでもいい混乱だから見て楽しみたいと思います。
2019-10-02 Wed 22:16 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
> 21,000年間の二十四節気

自分も見たことありませんが、興味ありますねえ。前後1万年程度の期間、適切な精度を維持しつつ計算できるロジックは、自分が知る限りNASA-JPLの「DE431暦」だけだと思います。(※何万年も先までは無理。)他の全惑星が影響するので、専門書などに書いてある近似式ではせいぜい数千年が限度。自分が組み込んで使っているのも2000年程度までです。

DE431は私には敷居が高いですが、たまたま先月から1つ下の「DE430暦」を勉強していたので、機会があったらDE431で歳差一回転ぶんの二十四節気グラフを作ってみますね。少し先になると思います。恵方巻き文化が何百年も生き残るとは思えませんが(笑)


専門店の飲食コーナー部署では売り子に至るまで年間行事の日付を徹底的に覚えさせられると聞きました。正月が済んだら直ちに節分のPRを周到に行うと思いますので、さほど混乱しないかなぁ。節分が固定日かどうか知ってる人より、「分からない」と答える人のほうが圧倒的に多い気がします。そういう人々はPR次第。
2019-10-03 Thu 10:57 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
ここで、暦の会の須田氏の春分年の研究に関連して、関係のありそうなグラフを見たことがあると思い出し、ネット検索したところ、

https://suchowan.at.webry.info/201203/article_2.html

の p.05図

http://hosi.org/a/pcs/373rd(20120317)-P05.png

に 25000年分の計算があります。確かに21,000年で歳差・近日点移動の二至二分の周期(太陽年)の周期的変動があり、それとグレゴリオ年との比較が出ています。
グレゴリオ年との差を積分すれば、暦日のずれの長期傾向が求められるのではないかと思います。

 より大きな振動もあるようですが、これは何でしょうか。
黄道傾斜角の変化は理論によると約4万年の周期振動だそうですが、「DE431暦」ではどうなっていますでしょうか。私の見る資料ではだいたいどれも多項式近似になっています。

>節分が固定日かどうか知ってる人より、「分からない」と答える人のほうが圧倒的に多い

 そうですか。固定日であるとは思わず、毎年いちいち商店のチラシで確認していただけるなら問題ございません。
2019-10-03 Thu 13:43 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>節分が固定日かどうか知ってる人より、「分からない」と答える人のほうが圧倒的に多い気がします。そういう人々はPR次第。
 そうかもしれませんね。知らないおかげで混乱しないという、不知の巧妙かもしれません。
2019-10-03 Thu 14:13 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
> 不知の巧妙

ある意味、とても怖いんですけどね。SNSに踊らされる近年の世の中を見るにつけ、そう感じます。フェイクかどうか見極める能力を持たない限り、どんな人でも陥ります。「節分日変更ネタ」も、たぶん直近になるとtwitterや知識系サイトなどで盛んに取り上げられるでしょう。まことしやかにトンデモ解説がはびこらないと良いのですが…。

本人が選ぶかどうか別にして、倉持よつばさんのような子は有望な未来がある程度用意されると思うんですよ。放っておいても伸びる子だとも思います。自分が気になるのは、放っておくと成長を諦めてしまうor世の中に夢や希望を見出せない(たぶん大多数の)こどもたちのほうです。こちらを育てないと、根拠のない情報によって簡単に流される世の中になってしまいそうです。


> 春分年の研究

こりゃまたすごいグラフですね。萌えます(笑)。分かりやすいけれど、私には俄に理解できません…。精度が気になったので調べたら原典らしきページ見つけました。

https://bit.ly/2oEfbVN

SOLEXという超長期間の数値積分プログラム(BC100000年-AD100000年対応)で計算したようですね。DE409も考慮されてるようですが、DE409は現在主流のDE430以上と定数などが若干違うので、ほんの少しグラフが変わるかも知れません。こういうのを自力で描いてみたい。

DEシリーズも基本はチェビシェフ多項式です。項数がものすごく多くて精度が高いというだけの違いです。
2019-10-03 Thu 16:49 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
>放っておいても伸びる子
 ここまですごいと、本人が目指せば間違いないですね。
問題は、日本社会が、この方向の研究を真に現代社会の方針を定める問題としてシリアスに受け取れるだけの器量を持っているかどうかだと思います。

 それから、それに準じるレベルの子どもたちについては、何でもかんでもSNSとか体験学習によってわかった気になるような教育がなされています。わかった気になるのはけっこうですが、そこまでの過程にハングリーさがないので、そこで満足してやめていかないかが心配です。

>萌えます(笑)
 萌えますね(笑)。
 英語のページの図には、確かに4万年周期はあって、これは黄道傾斜角の周期でしょうか。ほかに離心率の変動があり、これは、ミランコビッチ・サイクル の主因ですね。節分の話が氷河期の話にまで拡大しました。

>チェビシェフ多項式です。項数がものすごく多くて
 チェビシェフ多項式も4次くらい以上になると振動もどきの感じは出るのではないでしょうか。
2019-10-03 Thu 19:20 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
すみません。
 4つ上のコメントで、暦の会の研究家の方のお名前は、須賀氏が正しいです。ここに深くお詫びし、訂正いたします。
2019-10-03 Thu 19:26 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
>>萌えます(笑)>萌えますね(笑)。
 もう、お二人ともかなりの変態ですよ。

>倉持よつばさんのような子は有望な未来がある程度用意されると思うんですよ。放っておいても伸びる子だとも思います。
>問題は、日本社会が〜器量を持っているかどうかだと思います。
 日本社会は子どもを平均化しようとします。遅れている子は尻を叩かれ、先へ行ってる子には戻れという圧力をかけます。真に独創性のある子には暮らしにくい社会だろうと思います。低レベルなことに煩わされないで伸びていける環境であって欲しいです。
2019-10-03 Thu 21:49 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
> 過程にハングリーさがない
> 子どもを平均化しようとします

まさにこれ。ポテンシャルがあるのに、大人が上限下限を決めてかかるのはどうしてなんでしょうね?伸びる子はどんどん伸ばせば良いし、伸びない子や障害を持つ子は慌てずゆっくり歩めば良い。そういう気持ちを持つ現場の先生方もいらっしゃるのでしょうが、先生界が異端思考を好まないからスタンドプレーもできないってことなんでしょうかね?悪循環この上ない…。義務教育がロボット製造工場になってます。


> かなりの変態

そ…そうですか?^_^;;
細かな数字や数式やグラフにこだわるのは、コーヒー豆の産地や挽き方や湯を注ぐタイミングにこだわるのと違わない様に思うんですが(笑)

科学的分析でもない限り、暦のとらえ方はもっとおおらかで良いんじゃないかとも思います。特に吉事は。お正月も三日以上に渡ってお祝いする様に、節分や春分も数日楽しめばいい。これなら恵方巻きだって特定日に売り切ること考えるよりもフードロス減りそうです。いつから日本の暮らしはこんなに忙しなくなったのでしょう?
2019-10-04 Fri 10:41 | URL | みゃお #chDfx1pU[ 内容変更]
> かなりの変態
 変態や執着やこだわりにこそ飛躍のエネルギーがあると思います。興味の方向性によっては社会的に認められないこともありますが、グラフや暦であれば、〜フェチとむしろプラス評価かもしれませんね。

>特に吉事は。お正月も三日以上に渡ってお祝いする様に、節分や春分も数日楽しめばいい。
 そんなことができる日本人ならば、今の様な貧しい暮らしにはならなかったでしょう。
2019-10-04 Fri 10:58 | URL | かすてん #MLEHLkZk[ 内容変更]
>先生界が異端思考を好まない
目先の目標達成型の評価がなされているせいかもしれません。だいたい、一つの学校で1年か2年で達成が見えるような目標というのは、国全体、人類全体から見るとまったくどうでもよいことで、大事なことの足を引っ張っているだけなんですけどね。

>〜フェチとむしろ
 変態と言われても、フェチと言われても、まあ似たような感じですね。暦に関してそういう人がいることは認めます。むしろ、天文計算とかを別にすれば、暦フェチはコーヒー豆挽きフェチと同じくらいの人口があるかもしれませんよ。

 
2019-10-04 Fri 12:13 | URL | S.U #MQFp2i1U[ 内容変更]
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